スキルアップに必須!
集中力を高めるには?

目の前のことに集中できない、自信が持てない、怒りが抑えられない……こうした感情を上手にコントロールする方法を専門家に教えてもらう「マインド講座」。今回のテーマは「集中力」。
一つのことに集中したいのに、気が散って全然進まない……そんな状態になること、ありませんか? 集中できない状態は、仕事の効率の妨げになるだけでなく、大きなストレスとなっているんですって。「いつでも」「誰でも」「どこでも」できる、簡単な瞑想法で集中力をアップし、テキパキと仕事を片付けちゃいましょう!

目次

1
人は話半分、集中しづらい生き物。
2
集中できない“負のスパイラル”って?
3
マインドフルネスで集中力アップ!
4
あの大企業も導入!その効果とは?

半分は別のことを考えてる!?
人は集中できない生き物。

「集中力」とは、仕事などの物事に意識を向けて取り組む力のこと。仕事や作業をする上では欠かせない能力ですが、残念ながら、人はもともと「集中する」ことがあまり得意ではありません。
近年の研究で、人は何か作業をしていても、その時間の半分近くは別のことを考えていることがわかってきました。例えば、1時間のミーティング中、きちんと人の話を聞いたり、その議題について考えたりしているのは30分ほどなのです。

目の前のことに取り組んでいるように見えて、実は他のことを考えている状態のことを「マインドワンダリング」と言います。「ワンダリング(wandering)」とは日本語で「放浪」や「ふらつく」という意味。つまり、心がさまよっている状態のことを指します。

さらに、現代は、働く上で非常にストレスフルな環境にあります。社内の“雑音”で集中しづらい環境にある上に、職場の人間関係、同僚との競争、上司からの叱責など、周りも気にしなければなりません。ただでさえ、半分以上の時間が「マインドワンダリング」の状態にある上に、集中できる時間はどんどん減っていきます。

焦るほど、仕事がたまる!?
集中力の低下がストレスに。

仕事に集中できないと、どうなるのか。まず、あなたの生産性が下がってしまいます。30分で終わるはずの仕事が半日経っても終わらない――そんな経験がある人もいるのではないでしょうか。仕事が終わらないのは、もちろん別の仕事を頼まれたり、急な用事ができたりと、外的要因もありますが、ゴチャゴチャしたデスクの上に目がいってしまったり、プライベートの雑事が気になったりと、多くは自分自身の集中力の無さが原因です。

さて、仕事が終わらないと、次第に焦りが出てきます。次に控えている仕事のことが気になったり、同僚が次々と仕事を終わらせているのを見たりして、心の中の「不安」が増長してしまいます。こうなると、さらに集中できなくなる“負のスパイラル”に陥ってしまいます。
ここで一転、集中して、巻き返せればいいですが、なかなかそうはいきません。どんどん仕事はたまっていき、それがストレスとなり、心の中に積もっていきます。そのストレスは見えない毒のようなもので、次第にあなたの心身を蝕んでいきます。ストレスがたまると、その原因である仕事自体が嫌いになってしまいますよね。

集中力を欠くことは、ストレスをためる行為につながります。そういう意味で、集中力を持って仕事に取り組むことができる女性は、ストレスをためることがありません。目の前の仕事に集中する術を知っていて、次々と仕事をこなし、軽やかにステップアップしていきます。

「マインドフルネス瞑想」で
集中力アップのトレーニング。

実は誰でも「マインドフルネス」によって、集中力をアップさせることができます。マインドフルネスとは、「今、この瞬間に注意を向けた状態」のこと。そして、その状態になるための方法のひとつが「マインドフルネス瞑想」です。この「マインドフルネス瞑想」には、「感情の変化に気づく」「内省する力が高まる」「不安が減る」など、さまざまな効果がありますが、その中の一つに、「物事に集中できるようになる」というのがあります。

「マインドフルネス瞑想」を行うことで、これまでは1時間のうち50%しか物事に集中できなかった人が、60%、70%と、集中できるようになります。実際にやってみれば、集中力がアップしていることを実感できると思います。

それでは「マインドフルネス瞑想」の基本的なやり方を見ていきましょう。

・基本の姿勢になる

まず、椅子に腰掛けます。骨盤を立て、脚は組まずに地面に足裏がついていることを意識します。背骨が1本頭までまっすぐに伸びているイメージで、背筋を伸ばし、肩を3~4回、軽く回し、胸を開いていきます。

・瞑想を始める直前

両手を膝の上に置き、目を閉じるか、半目にしてゆったりと構えます。もし、この時点で背中が痛かったりした場合は、クッションなどを挟むなどして、瞑想に集中できる状態にしてください。

・呼吸に意識を向ける

いよいよ瞑想のスタートです。とはいっても、何も難しいことはありません。まずは呼吸法。息を鼻から吸って、鼻から吐き出します。吸うときにはお腹を膨らませ、吐くときにはお腹がへこむ腹式呼吸をゆっくりと行います。厳密な呼吸の決まりはないので、自分のペースで、一番リラックスできる呼吸を繰り返します。その呼吸に自分の意識を向けていきます。はじめは難しいかもしれませんが、慣れると何も考えずに呼吸だけに意識を向けることができるようになります。

・初心者は5~10分、慣れれば30~40分

初心者はまず5~10分ほど行ってみてください。慣れてきたら、30~40分ほど時間をかけてやってみましょう。また、瞑想を始める前に、「頭のモヤモヤをきれいにするため」や「集中力をつけるため」など、目的や意図を意識して取り組むことも大切です。

世界的大企業も導入、
瞑想の効果と注意点。

「マインドフルネス瞑想」は、仏教の教えをベースに、そこから宗教色を排した、一種の「心のトレーニング法」と言えるものです。近年では、常に結果を求められるGoogleやFacebook、P&G、マッキンゼー、ゴールドマン・サックスなど、名だたる大企業が「マインドフルネス瞑想」を取り入れ、社員の集中力の向上に力を入れています。

「マインドフルネス瞑想」はお金もかかりませんし、特別な道具も必要ありません。下記の注意事項を守るだけで、「いつでも」「誰でも」「どこでも」簡単にできてしまいます。※うつなどの精神疾患を経験している人は、医師と相談の上、ご判断ください。

・とにかく続けることが大事

毎日10分の時間を確保するのが難しい人でも、1日に3回の呼吸に意識を向けることはできるはず。少ない時間でも続けていけば、1日の中で、「今、この瞬間に完全な注意を向けた状態」になることが増えていきます。同時に、集中力がアップしていることを実感できると思います。

・すぐに効果が出るとは限らない

効果が出るのには個人差があります。「集中力がアップしないから」と、すぐやめてしまってはその恩恵は得られません。実感を得るまでに半年以上かかったという人もいるようです。ただ、平均して毎日5~10分の「マインドフルネス瞑想」を3週間くらい続けると、変化を感じられるようになるはずです。

・雑念が湧いてもよしとする

自分の呼吸に意識を向ける瞑想法ですが、ときには呼吸に意識を向けきれず、雑念が湧いてしまうこともあります。しかし、そのときに「雑念が湧いて瞑想ができない」と考えるのではなく、「雑念が湧いている」という状態をそのまま受け入れることが大切です。あるがままの状態を受け入れるのがコツの一つです。

実は、マインドフルネスの状態になるためには、必ずしも「マインドフルネス瞑想」をやらなければいけないというわけではありません。あくまで瞑想は方法の一つ。移動中でも食事中でも「今、この瞬間」に集中できていれば、それがマインドフルネスの状態なのです。

――参考文献『心のざわざわ・イライラを消すがんばりすぎない休み方 すき間時間で始めるマインドフルネス』(文響社)、『世界のトップエリートが実践する集中力の鍛え方 ハーバード、Google、Facebookが取りくむマインドフルネス入門』(日本能率協会マネジメントセンター)共に荻野淳也著

  • なるほど 0

  • おもしろい 0

  • やってみたい 0

この記事が気に入ったらシェア!

  • Facebook
  • Twitter
  • LINEで送る

プロフィール

荻野淳也

おぎの・じゅんや/一般社団法人マインドフルリーダーシップインスティチュート代表。Googleで開発されたSIY(サーチインサイドユアセルフ)の認定講師。上場企業からベンチャー企業までを対象に、ミッションマネジメント、マインドフルリーダーシップ、マインドフルコーチングという軸で、リーダーや組織の本質的な課題にフォーカスし、その変容を支援。著書に『世界のトップエリートが実践する集中力の鍛え方 ハーバード、Google、Facebookが取りくむマインドフルネス入門』(日本能率協会マネジメントセンター)など。

文/山口智弘 イラスト/kiyo 監修/荻野淳也(一般社団法人マインドフルリーダーシップインスティチュート代表) 編集/リンククロス

この記事を読んだ
あなたにおすすめ!

フォローする

  • Facebook
  • Twitter
  • Instagram
  • メールマガジン