気になる口周りの水ぶくれ。
もしかして、口唇ヘルペス?

身体の不調について、専門医に原因から解決法まで伝授してもらう「女性のお悩み相談室」。今回は、口の周りに水ぶくれができてしまう「口唇(こうしん)ヘルペス」について。
口唇ヘルペスは“単純ヘルペスウイルス”というウイルスによる感染症で、風邪や疲れなど、身体の免疫機能が低下したときに発症します。とても感染力が強く、再発を繰り返すのが特徴で、大人になってから初めて感染すると重症化することも!?
見た目にも気になる口唇ヘルペスは、なぜ発症するの? どうやって予防したらいいの?

目次

1
口唇ヘルペスってどんな病気?
2
感染経路は口だけじゃない!?
3
感染した際の症状と治療法。
4
知っておきたい予防法。

日本人の8割が感染!?
口唇ヘルペスってどんな病気?

ヘルペスの症状をひき起こす単純ヘルペスウイルスには、「HSV-1ウイルス」と「HSV-2ウイルス」の2種類があります。主に口唇ヘルペスを引き起こすのは「HSV-1ウイルス」で、「HSV-2ウイルス」は主に性器ヘルペスの原因になります。

口唇ヘルペスの原因でもある「HSV-1ウイルス」は、全世界の50歳未満の6割以上が感染しており、日本では7~8割もの人が感染していることがわかっています。しかし、口唇ヘルペス感染のほとんどは無症状で、「HSV-1ウイルス」に感染した人々の大半は感染している事に気づきません。

しかし、傷や湿疹、アトピー性皮膚炎などの皮膚バリア機能が低下していたり、風邪や疲れストレスで免疫力が低下していたりすると、ウイルスが活性化し、口の周りにかゆみや痛みを伴う水ぶくれや、ただれなどの症状を引き起こします。

キスはもちろん、
タオルや食器でも感染。

口の中の傷や唾液、皮膚表面に存在する「HSV-1ウイルス」との接触を通し、口唇ヘルペスに感染してしまいます。主に口と口との接触のほか、ウイルスの付いたタオルやシーツ、食器などからも感染する可能性があります。

ウイルスを持つ人からのキスやほおずりなどは避け、タオルやシーツ、食器などは洗剤で丁寧に洗い、よく乾かして使用することが重要です。

また、赤ちゃんへの感染も気をつけましょう。新生児が単純ヘルペスウイルスに感染すると、ヘルペス脳炎やカポジ水痘様発疹症などの合併症を引き起こす場合があります。

感染予防はもちろんのこと、症状が見られたら、すばやく医療機関を受診してください。

初感染から再発まで、
感染した際の症状と治療法。

「HSV-1ウイルス」に感染した際、免疫力が低ければ、3~7日間の潜伏期間を経て、口唇ヘルペスを発症します。感染前期から再発時まで、それぞれの症状をご説明します。

感染前期の症状

皮膚の熱感や違和感、かゆみなどの自覚症状を伴い、半日程度で口の周りが赤く腫れてきます。この時期は患部でのウイルス増殖が活発になります。

感染後期の症状

口の周りの腫れが2~3日間続いたあと、その腫れの上に、水ぶくれができます。口紅などが合わずにできる水ぶくれは、唇全体にできるのに対し、口唇ヘルペスは1ヵ所にまとまってできるという特徴があります。

初感染の症状

大人になって初めて「HSV-1ウイルス」に感染し、口唇ヘルペスが発症した場合、その症状は重くなる傾向にあります。おびただしい水ぶくれが、口の周りだけでなく口の中、喉元までに広がり重症化すると、水疱があごのライン辺りまで及ぶケースもあります。
また皮膚症状だけにとどまらず、40度を超える高熱が1週間続いたり、多数の口内炎ができたり、顎の下のリンパ節が腫れたりすることも。
ただし、幼少期に感染していた場合には、ここまで重い症状が出ることはありません。幼児期はヘルペスウイルスに感染しても、幼児の体はウイルスに対する抵抗力が強いため、初感染でも症状がほとんど現れず、感染したことに気付かず終わることもあります。

回復期の状態

かさぶたができて、治っていきます。体調の良し悪しなどの要因で症状の程度は異なりますが、潜伏期から後期までの段階を経て2週間程度で回復に向かいます。

再発時の症状

一般的には、口唇や口の周りの一部に発生し、初感染に比べて軽症の場合が多いです。

口唇ヘルペスの治療には、ウイルスが増えるのを抑えるための薬、いわゆる抗ヘルペスウイルス薬を使用するのが一般的です。回復までにはだいたい10日から3週間ほどかかりますが、感染前期の段階で治療を始めることが何よりも大事です。

うつらない、うつさない!
知っておきたい予防法。

口唇ヘルペスはウイルスに感染しないこと、そして相手にウイルスをうつさないことが重要です。他人にウイルスをうつさないためには、水ぶくれなど、患部にはなるべく触らないようにして、手洗いを十分に行うことが大切です。

また、患部はできるだけ刺激しないようにしましょう。入浴の際もシャワーは患部に直接当てず、優しく洗ってください。

口唇ヘルペスを早く治すためには、「口唇ヘルペスかな?」と感じたら、できるだけ早く病院に行き、抗ヘルペスウイルス薬を服用することが大切です。感染前期に薬を飲むことができれば、ウイルスの増殖を最小限に抑えられ、症状も小規模に治まり、結果的に早く治すことにつながります。

後編は、6/15(金)公開。
口唇ヘルペスの再発対策って?

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プロフィール

鈴木香奈

すずき・かな/金沢駅前ぐっすりクリニック院長・耳鼻咽喉科、アレルギー科。日本耳鼻咽喉科学会認定専門医。専門分野は耳鼻咽喉科領域の感染症、鼻炎やいびき症に対するレーザーや高周波を用いたデイ・サージャリー(日帰り手術)。日本舞踊・藤蔭流の名取。雑誌や新聞などでも活躍。

文/山口智弘 イラスト/kiyo 監修/鈴木香奈(金沢駅前ぐっすりクリニック院長)

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