つらい生理痛はなぜ起きる?
ガマンしてはだめ!危険な痛みも。

便秘、生理痛、大人ニキビ、冷え性など、女性特有の身体の不調について、専門医に解決法を教えてもらう「女性のお悩み相談室」。今回は、生理痛です。毎月のことなのに、いつも憂鬱になる。そんな女性も多いのではないでしょうか。
生理痛はいつものことと、あなどるなかれ。そのまま放っておいてはまずい、重大な病気がひそんでいることも。
なぜ生理痛が起こるのか? 放っておいてはいけない痛みとは? 自分の身体のことだもの、ここで、きちんと知っておきましょう。後編の生理痛を和らげる方法はこちら

目次

1
覚えておこう!生理のメカニズム。
2
生理痛はなぜ起きる?
3
年を取ると、生理痛は弱くなるの?
4
ガマンしてはだめ!危険な痛みとは?

いらなくなった子宮内膜が
はがれて、生理が始まる。

排卵のある女性は、子宮内膜を変化させて受精卵を迎える準備を始めます。この排卵が、生理(正しくは月経)のリズムのターニングポイント。その前を卵胞期、あとを黄体期といいます。

卵胞期

月経が終わる頃から排卵までの期間。脳の下垂体から卵胞刺激ホルモンが放出されることで、卵胞が成熟。卵巣から卵胞ホルモンが分泌されて子宮内膜が厚くなる。
 ↓

排卵

1個の成熟卵胞のみが大きくなって卵胞ホルモンの量がピークに達すると、下垂体から排卵を促す黄体形成ホルモンが放出されて卵子が排出。
 ↓

黄体期

排卵後から月経開始までの期間。排卵した卵胞が黄体という物質に変わり、ここから卵胞ホルモンと共に黄体ホルモンを分泌。受精卵の着床(妊娠)に備えて、厚くなった子宮内膜に栄養を蓄える。着床しないと、黄体は12~16日は活動を続け、その後ホルモン分泌を停止。

妊娠しなかったときはこの黄体からのホルモンが低下することによって、子宮内膜に酸素や栄養を送っていた血管が収縮。子宮内膜(子宮内膜は基底層と機能層の2つの層からなり、はがれるのは表層にある機能層)がはがれて、血液とともに子宮口から体外に排出されます。それが生理(月経)です。

月経開始日から次の月経開始の前日までを月経周期といいます。平均は28日前後ですが、卵胞期に個人差があるため、正常な月経周期も25~38日と幅の広い数値が示されています。

子宮を収縮させる物質が
生理痛を引き起こす。

生理痛(正しくは月経痛)でつらいという訴えは、若い女性に多いようです。これは、生理の時に崩れた子宮内膜から子宮を収縮させるプロスタグランジンという物質が分泌されるため。月経周期が安定したころ症状が出現しやすいとされています。誰でもプロスタグランジンは放出されるのですが、初めのうちは身体が慣れていないため、強い下腹部痛や腰痛などを感じやすくなります。

また、生理が始まってしばらくは、経血(生理で排出される血液)に大きなかたまりがまじることがあります。出産を経験していない女性の子宮頸管はかたく、その内腔はとても細く狭いため、そこをかたまりが通過するときに、いっそう強い痛みを感じるのです。

痛みに強い人と弱い人がいるように、生理痛の感じ方にも個人差があります。思うように活動できないうっとうしいもの、汚れやすくて面倒、いやなものといったイメージを生理に抱くと、痛みを余計に感じやすくなります。生理は女性にとって大切なもの、快適に付き合える方法があるものと思うことが大切です。

年を取るごとに
生理痛は弱くなる?

子宮収縮による生理痛の場合、生理が始まる前日や1~2日目に感じることが多く、持続時間が短い点も特徴です。周期的に起こるけいれんのような痛みで、生理1~2日目に最も強くなります。

生理痛とともに、頭痛やイライラ、吐き気、下痢、だるさなど、随伴症状と呼ばれる全身症状を伴うことも多いのですが、これも生理3日目くらいから、軽くなってくるのが普通です。また、子宮・卵巣に病気がなければ、年を取ることによって痛みが強くなることは少なく、むしろだんだん弱くなって消えていくことがほとんどです。

強い痛みがあるときは、
病気が隠れていることも。

生理中の強い痛みに加えて、さまざまな不快症状があり、日常生活を送るのが難しい場合を月経困難症といいます。

生理痛が、生理の少し前から3~5日間、ときには生理後まで続く場合は、子宮になんらかの病気や障害がある可能性も。こうした原因疾患があるケースは、初経(初潮)から数年くらいの思春期には少なく、ほとんどが20歳過ぎくらいから起こります。

それまで鎮痛薬を使ってきた場合、痛みの強さや持続期間などが変化してきたのに、「鎮痛薬に体が慣れて効かなくなった」と思い込んでしまうことがしばしばあります。通常、月に1度、3日間くらい飲んでも、鎮痛薬に体が慣れてしまって効かなくなることはありません。

痛みがあまりにもひどい場合、鎮痛薬が効かなくなった場合、症状が急激に悪化した場合は、早めに婦人科を受診することが大切です。

月経痛がひどい場合、疑われる病気の例

子宮内膜症、子宮筋腫、子宮腺筋症、強い子宮後屈、性器クラミジア感染症など

若い時に、子宮・卵巣に異常はなくても、月経困難症があった人は、将来、子宮内膜症などになりやすいことが知られています。

――参考文献『月経痛と月経困難症』(主婦の友社)安達知子著

後編は、6/4(月)公開。
生理痛はこれで和らげる

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プロフィール

安達知子

あだち・ともこ/東京女子医科大学卒業後、同大学産婦人科入局、米国ジョンズ・ホプキンス大学研究員。帰国後、東京女子医科大学産婦人科講師を経て、1995年助教授。2004年4月より、総合母子保健センター愛育病院 産婦人科部長。副院長を経て、2017年12月より、総合母子保健センター愛育病院 院長。さらに、日本産科婦人科学会代議員、日本産婦人科医会常務理事、厚生労働省、文部科学省、内閣府などの審議会や各種委員会の委員なども務める。今回参考にした『月経痛と月経困難症』をはじめ、著書も多数。

編集/リンククロス イラスト/サワヒカリ 監修/安達知子(総合母子保健センター愛育病院 院長)

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