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落ち着く、向き合う、前に進む~告知直後にやるべき10のこと~

support : 乳がん治療後のケア

DATE : 2019.10.10

落ち着く、向き合う、前に進む~告知直後にやるべき10のこと~

本記事は、「がんであってもなくても、自分らしく生きる」をコンセプトとした、マギーズ東京が発行する情報誌『Hug』からの転載記事となります。

告知された直後は、“まさか自分が? とにかく怖くて……” みんな不安な気持ちでいっぱいです。でも、大丈夫。まずは落ち着いて、 自分の状況や気持ちと向き合い、しっかり納得のいく選択をし、 前に進んでいくことが大事。大切なステップを踏んでいくために やるべきことを経験者のアドバイスから、導き出しました。

※記事内のデータおよびアンケートは、2017年5月に行った HUGアンケート104名(20~50代の男女)の回答によるものです。

STEP 1|落ち着く

1:心を落ち着ける
2:大切な人に伝える
3:慌てて仕事をやめなくていい

STEP 2|向き合う

4:治療の情報を得る
5:使える制度を知る
6:自分の気持ちと向き合う

STEP 3|前に進む

7:治療を選ぶ
8:仲間と出会う
9:職場に働き方を相談する
10:体力づくりをする
 

STEP 1|落ち着く

1:心を落ち着ける


がんになっても明日死ぬわけではない。まずは冷静になること。







落ち込んでから、治療と向き合えるように

まずは深呼吸。最初は落ち込んだけれど、毎朝「今日も生きてる」と実感して「そう簡単には死なない」と感じた人も。がん経験者が身近にいた人は、「がん=死ではない。治療しよう」と思えたそう。

  最初はショックを受けた経験者も、1カ月後には約60%の人が前向きな気持ちに。「良くなるしかない」「負けてられない」の声も。


2:大切な人に伝える


無理せず、伝えたくなったらでいい。必ずあなたを支えてくれる。







温かい言葉や気遣いが、心の支えになる

  両親、パートナー、妹、恋人、友人、医療従事者、がん経験者など、様々な声が寄せられた。「大丈夫」「ちゃんと治療していこう」。心許せる人の温かい言葉は、前向きに治療と向き合うきっかけに。


3:慌てて仕事をやめなくていい


周りに迷惑をかけまいとやめてしまい、後悔している人も多い。






治療が落ち着けば、復帰も考えられるように

「自分から復帰の道を閉ざさなくてもいい」「迷惑かけると自分を責めない」というアドバイスも寄せられた。働きながら治療する人もいる。まずは治療を優先して、職場に働き方を相談しよう。


【長谷亜紀さん(44歳・女性)の場合】


Q 告知直後、仕事のことを考えましたか?
娘と入浴中に胸のしこりに気づいて、検査の結果、乳がんが発覚しました。告知を受けたときは意外と冷静で、手術をすればすぐに仕事に戻れるという感覚でした。術後に抗がん剤をしなければいけないと言われて、復帰のイメージが想定と大きく変わって、初めて現実を直視しました。そのときの方がショックは大きかったです。理学療法士は体を使う仕事なので、どれくらいで戻れるのかがわからなくて悩みました。続けられるのかという葛藤はありましたが、辞めない方法や働き方を模索して、周りの経験者からアドバイスをもらいました。

Q それで、仕事の調整はどうしましたか?
社会とつながっていたかったので、辞めることは最後に考えようと思いました。私の場合は、直属の上司に話して人事に伝えてもらいました。経過報告はメールで、退院後は職場に行けそうなときに顔を出すことから始めました。復職しても、すぐフルスピードに戻ろうと思わず、生活サイクルを慣らすことから始めること。リハビリ中の患者さんは、「職場からいつ戻れるのと聞かれても答えられない」「迷惑がかかるので辞めようと思う」という人が多いです。私は、復帰後あせりすぎて別の病気になりまた休職しました。長く働くためには、自分の体調を受け入れてブレーキをかけたりして減速して進むことも必要です。


\企業の人事担当に聞きました!/
病気になったとき、 相談してほしいこと

カルビー株式会社 常務執行役員 人事総務本部長 武田雅子さん

「働きながら治療できる病気に。両立を考えて」

「一時の感情で辞めないこと。まずは治療のことを考えて、使える休暇の種類や関連する就業規則、健保のルールを調べましょう。病理の結果が出てからになりますが、治療の見通しや働きたい意思を上司に伝えてください。何かあれば人事も相談に乗ります。まずは自分の持てる選択肢を知りましょう」  

STEP 2|向き合う

4:治療の情報を得る


医者や専門家から、正しい知識を得よう。セカンドオピニオンも。

正しく理解して、納得できる治療法を

誰かと一緒に聞くなど、医師と話すときに工夫している人が多かった。治療方針や心身への影響、副作用などは「遠慮なく医師に質問を」の声も。セカンドオピニオンを聞くのもいいだろう。

| 告知を受け知りたいと思ったことは何でしたか?(複数回答)



告知直後、一番知りたいと思ったことは「治療のこと」を挙げた人は84%に上った。生活の変化も気になる人が過半数を超えた。

\経験者が語る「これを知って安心できた!」/




| 治療などの情報を何から得ましたか?(複数回答)



医療サイトや経験者ブログなどネット上の情報や、医療機関での医師の説明などから治療のための知識を得る人が多いことがわかる。


\治療に関して、医師に聞いておいた方がいいことは?/


 

5:使える制度を知る


知らないなんてもったいない! 行政や健保の制度や補助の確認を。






使える制度を確認して、ちゃんと申請しよう

自分が加入している生命保険や健保を確認しよう。1カ月の医療費が高額になった場合には、区分に応じて限度額を超えた分が払い戻される「高額療養費制度」がある。治療の際は保険者に申請を。

※企業により対応は異なります。お勤めの企業の人事部などにお問い合わせください。

\就労支援するソーシャルワーカーに聞いた!/
行政と健保で使える制度

医療ソーシャルワーカー 福地智巴(ともは)さん

「治療や療養を中心とした生活に見直しを」

「告知により生活や仕事への不安が生じると思いますが、治療や療養を中心とした生活の意識を持つことが大切です。家庭内の役割や経済計画といった生活設計の見直しも必要です」

| 行政の支援制度例

「医療費の負担軽減のために高額医療制度を利用する場合、「限度額適用認定証」も保険者に申請し病院に提示しましょう。払い戻しが簡素化され用意するお金が少なくてすみます」

 
| 健保の支援制度例

「健保には休職時の収入を補てんする『傷病手当金』制度があり最長1年半支給されます。条件を満たせば退職後も受給できます。退職すると申請できないので在職中に手続きを」


6:自分の気持ちと向き合う


改めて自分がどう生きたいかを考えてみよう。


治療の先にある生活をイメージする。

やりたいことや行きたい場所を思い浮かべて前向きになれた人や、日常生活を取り戻すために「早く元気になりたい」と思えた人も。書き出すことで気持ちが整理されるかもしれない。
 

STEP 3|前に進む

7:治療を選ぶ


しっかり自分の状況を把握した上で、納得のいく治療を選ぼう。





あなたが納得できる治療を選択しよう
 
「標準治療」は、科学的根拠に基づき現在利用できる最良の治療とされ、一般的な患者に推奨される治療のこと。主治医の説明や治療方針などをふまえ、自分に合った治療を選ぼう。

8:仲間と出会う


がんと闘う仲間がたくさんいる。良い情報や勇気をもらえる。






患者会やSNS、仲間だから相談できることも

告知直後、不安を抱えて泣いていた人も経験者の笑顔を見て元気をもらったようだ。「気兼ねなく話せる場所ができた」という声も。がん診療拠点病院の相談支援センターには地域の情報がある。

| 仲間と出会う方法

●マギーズ東京
がん患者やその家族らが、いつでも気軽に治療や日々の生活を相談できる英国発祥の支援施設。http://maggiestokyo.org/

●患者会
地元の患者会を、検索して探してみよう。がんの経験を生かして、自分で患者会を立ち上げた人もいる。

●SNS
FacebookやTwitterでコミュニティや仲間を探そう。Instagramで病名などを#で検索すると仲間が見つかることも。
 
●相談支援センター
各地のがん診療拠点病院にあり、各地域にある患者会や交流の場についての情報を集約している。


9:職場に働き方を相談する


職場に治療中の働き方や、休職を希望する場合などの相談をしよう。




 
まずは希望する働き方を相談しよう

休職する人も治療しながら働く人も、治療計画をふまえて上司などに働き方の相談を。治療を優先してゆとりを持った見通しを伝えよう。「そんなに頑張って早く復帰しなくてもいい病気」の声も。


10:体力づくりをする


治療中は体力の低下を感じる人が多い。軽度の運動は気分転換にも。








体調の良い日は、なるべく体を動かそう

多くのがん経験者から「家にこもらない」「体を動かす習慣を」などのアドバイスが寄せられた。趣味や好きなことで体を動かして気分転換している人も多い。体調に合わせた体力づくりを。
※運動は、体調に合わせて担当医やリハビリ医の指導のもと行いましょう

\国立がん研究センターが紹介する/
治療中に効果的なトレーニング

1.ウォーキング
楽に運動ができ呼吸も乱れず少し汗をかく程度の呼吸で、20~30分間。週3~5日行うのが理想的。

2.自転車エルゴメーター
エアロバイクともいわれる自転車の形をした室内用の運動器具。ウォーキングと同じ有酸素運動。

3.ストレッチ
軽い筋力トレーニングやストレッチも、機能を維持するために有効とされている。



心を落ち着かせて、治療と向き合い、
前に進んでいくための10のアドバイス。
仕事、仲間、体力づくり……
経験者たちの貴重な声が参考になるはずです。



Text:Kaori Sasagawa Composition:Naomi Oguriyama

PROFILE

イラストレーター mugny(まぐにー)

関西出身のイラストレーター。日常の感じたことをイラストにしWEBで発表している。
twitter/Instagram @mugnypic

PROFILE

マギーズ東京『Hug』

記事の転載元である『Hug』は、「がんであってもなくても、自分らしく生きる」をコンセプトとした、マギーズ東京が発行する情報誌です。マギーズ東京は、居心地のいい空間に、友人のように気軽に話せる医療的知識のあるスタッフがいて、がんに関わる人たちが生きる力を取り戻せる場を提供しています。
詳しくはこちらの記事をお読みください。
https://linkx.life/pink/support/3004/

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