乳がんの早期発見・万が一の保障・治療後のケアまでトータルにサポート

“おっぱい都市伝説”のウソvsホント – おっぱいの形は変えられる?おっぱいが大きくなる食べ物がある?

care : おっぱいを愛そう

DATE : 2018.08.06

“おっぱい都市伝説”のウソvsホント – おっぱいの形は変えられる?おっぱいが大きくなる食べ物がある?

大豆やキャベツを食べればおっぱいが大きくなる……、
こんな話を耳にしたことはありませんか?

この他にも巷では、おっぱいにまつわるさまざまな都市伝説がまことしやかにささやかれています。そんな“おっぱい都市伝説”の真実を知るべく、乳腺の専門医である島田菜穂子先生に直撃取材!意外と知らないおっぱいのウソvsホント、今こそはっきりさせましょう。

回答者:ピンクリボン ブレストケアクリニック表参道 院長 島田菜穂子先生

【都市伝説その1】おっぱいのサイズや形はマッサージで変えられる!?

・ウソ


最初から残念なお話をしなくてはなりませんが、医学的に考えると、おっぱいをマッサージすると、一時的に血行が良くなったり筋肉のコリが改善されたりすることはあっても、サイズや形が根本的に変わることはありません。その理由は、おっぱいの中身にあります。おっぱいの中身を構成するのは、脂肪と乳腺。特に脂肪は筋肉と違い、自ら形を維持することはできないので、脂肪周辺の支持組織である靭帯や筋肉、繊維などで支えられています。体重が増えて体全体に脂肪が増えると乳房の脂肪も増えますが、マッサージをしても増えたり形が変わったりすることは期待できません。


ただし、マッサージ以外の方法ならおっぱいの形を変えられる可能性がありますよ。先ほど脂肪は形を維持できないとお話ししましたが、ではどうしておっぱいは重力に逆らって形を保てるのか……それは、大胸筋に秘密があります。脂肪と共におっぱいの中身を構成する乳腺は、大胸筋という筋肉の筋膜(筋肉の周囲を包み込む膜のこと)の中にあります。乳腺と脂肪は、筋膜から連続するクーパー靭帯という頑丈なすじで、筋肉と皮膚に吊り上げられるようになっているため、垂れ下がることなく丸みを帯びた張りのある形を保っているのです。そのため、おっぱいを形づくっている大胸筋を鍛えれば、おっぱいの下垂を防ぐことにつながります。

大胸筋を鍛えるというと辛いトレーニングを想像する方が多いと思いますが、姿勢を正すだけでもOKです。パソコンやスマホが普及している現代では、猫背になっている方は多いもの。正しい姿勢を保つだけでもインナーマッスルが鍛えられ、大胸筋、そしておっぱいの状態は変わります。

ちなみに年齢を重ねるとおっぱいの中の乳腺と脂肪の割合が変化し、徐々に乳腺が脂肪に変わっていきます。したがってどうしても脂肪の割合が多いおっぱいは下垂しやすくなるのです。ただし、筋肉は年齢を重ねてからでも、トレーニング次第で筋肉を柔軟に太く力強くすることはできます。丈夫な筋肉は姿勢を保つためにも役立ちますし、乳房の下垂もある程度は予防してくれるのです。年齢を理由におっぱいの形が崩れるのを諦めている方は、背筋を伸ばして筋肉のトレーニングにもチャレンジしてみてくださいね。

【都市伝説その2】キャベツや鶏肉、大豆を食べるとおっぱいが大きくなる

・半分ホント



大豆については、おっぱいを大きくしてくれる可能性があるといえます。ご存知の方も多いと思いますが、大豆に含まれるイソフラボンは、女性ホルモンと似た働きをするんです。
おっぱいを構成する組織のひとつである乳腺は、女性ホルモンの影響を受けて成長します。つまり、大豆を摂取することで乳腺が発達し、おっぱいがサイズアップすることも考えられるでしょう。

しかも、イソフラボンには、女性ホルモンのバランスを整えてくれる効果があるんですよ。女性ホルモンと一口にいっても、エストロゲンとプロゲステロンという2種類があり、この2つがバランスよく分泌されているのが理想的な状態です。
しかし、生活習慣をはじめさまざまな要因で、バランスは崩れてしまいます。イソフラボンは、その不足している部分をうまく補ってくれるんです。

豆腐、納豆など大豆製品を多く食品として摂取することが多かった日本人女性は、かつて欧米に比べ乳がん罹患率が少なかった事実があり、その原因の一つがイソフラボンの摂取量とかかわりがあるのではないかという検証が行われたことがありました。
いくつかの論文ではその予防効果が報告されていますがまだ確証はありません。最近では日本人の食生活も変化したせいか、残念ながら乳がんの罹患率は年々増加する一方で欧米並みに近づきつつあります。食物繊維や大豆製品を多く摂取する日本の伝統的な食生活は、さまざまな面でメリットがあるようで、女性には積極的に摂ってほしい栄養素といえますね。

その一方で、鶏肉やキャベツはどうかというと……残念ながら、おっぱいを大きくするかどうかについての医学的なデータはありません。

【都市伝説その3】おっぱいが大きい人は乳がんになりやすい!?

 ・ウソ


おっぱいの大きさと乳がんになる確率とは、関係ありません。大きい方が過剰に心配することはありませんし、逆に小さいからといって安心するのもダメですよ。
乳がんになるリスクが高くなる条件として最も大きいのは、やはり遺伝(家族歴)ですね。お母さんやお祖母さんが乳がんにかかっている方は、注意が必要。特に、若いうちに乳がんになったご家族がいる方は注意しましょう。遺伝子の異常によって、通常より若い年代で乳がんを発症しやすいことが明らかになっています。そのため、米国では「ご家族の発症年齢より10歳早めに検診を開始すること」を推奨しています。

いたずらに恐れることはありませんが意識をもって早めに検診を受け、検診の時から乳腺の主治医を見つけて自分に最適な検診を受けていくことが大切です。

それから、初経が早い方や閉経が遅い方も、リスクが高いといえます。女性ホルモン(エストロゲン)の分泌の影響を長く受けることが理由ですね。

また、女性ホルモン剤を使っている方も要注意。最近は避妊の目的だけでなく子宮内膜症などの治療のために低用量ピルをすすめされることもあります。また、不妊治療や更年期障害の治療でも女性ホルモン剤は効果が高いため、使用の機会が増えました。

これらの治療には効果の高い大切な薬ですが、使用する量や継続の期間により乳がんのリスクを上げることも分かっています。まずは薬を使う前に乳がんがないことを確認するために検診を受けましょう。また服用中は、セルフチェックを行い乳房の変化に注意すること、並行して乳がん検診を受けることがとても大切です。

PROFILE

【回答者】島田菜穂子先生 NAOKO SHIMADA

認定NPO法人 乳房健康研究会 副理事長。
ピンクリボン ブレストケアクリニック表参道 院長。
1986年筑波大学卒業後、筑波大学附属病院、東京逓信病院勤務、同院で1992年乳腺外来を開設、1999年米国ワシントン大学ブレストヘルスセンター留学を経て2008年ピンクリボン ブレストケアクリニック表参道を開院。2000年乳房健康研究会を発足し、乳がん啓発団体として日本初のNPO認証を受けピンクリボン運動を推進。日本医学放射線学会放射線科専門医、日本乳癌学会乳腺専門医、日本がん検診診断学会認定医、日本スポーツ協会認定スポーツドクターなどの資格を持つ。

つづきを読む