12人目:乳がんが心配。
30歳になる前に備えるべき?

リンククロスが信頼するファイナンシャルプランナー・黒田尚子さんが、女性の悩みをズバッと解決していく本連載。今回、黒田さんの助手猫“ゼニちゃん”が見つけてきた相談者は、乳がんについて悩む29歳の女性。乳がんといえば、黒田さんも経験者。やっぱり早めに保険に入って備えるべきなの? 遺伝と罹患率って関係あるの? 20代に適したアドバイスをしていただきました!

【今回のお悩み相談者】

【お悩み内容】

【黒田さんのズバッと回答】

乳がんに関わらず、がんの経済的リスクに備えるなら、公的制度をベースにバランス良く備えるのが一番! 預貯金や民間保険など、それぞれのメリット・デメリットを理解し、「良いとこ取り」をしましょう。

罹患前は、私自身も、がんが遺伝によるところが大きいと思っていました。でも実際は、乳がん患者全体のうち「遺伝性」は5~10%程度。それ以外は家族歴などに関係なく発症しています。

ですから、生活習慣を見直したり、がん検診を受けたりして、日頃から「がん予防」に努めることも、大切な備えとなります。

ただし検診には「100%結果が正しいとは限らない」「発見できるがんは限定的」「心身や経済的な負担が大きい」などのデメリットもあります。

とくに、亜希子さんのように若い世代にとって、乳がん検診が有効であるというエビデンス(科学的根拠)はありません。

でも自覚症状がある場合は別。「乳房にしこりがあって気になる」というなら、早めに乳腺専門医を受診しましょう。

いずれにせよ、乳がんのリスクが高まるのは、おおむね30代後半から40代以降。心配なのはわかりますが、まずは「がん」がどのような病気なのか、正しく知ることが大切です。

民間保険は、もしもの時の大きな助けになりますが、がんが心配だからといって「保険に今すぐ入らなくちゃ!」と考えるのはちょっと待って!

がんへの経済的備えを考える場合は、まず自分が加入している公的医療保険から、どのような制度が受けられるか確認することが先決です。

亜希子さんは、会社員ですから、健康保険や厚生年金などに加入しているはず。通院や治療で会社を休んだときの「有給休暇制度」や病気やケガで医療費が高額になったときの「高額療養費」、会社を休んでお給料が出なくなったときの「傷病手当金」などなど。

勤務先にどんな制度があるかを確認しましょう。さらに、亜希子さんの勤務先が大手企業なら、手厚い「付加給付」が受けられる可能性も大です。

その上で心配なら、預貯金や民間保険を上手に活用すること。

独身で扶養家族もいない亜希子さんなら、預貯金の目安は生活費×3ヶ月分から半年分くらい。要は、働けず収入がなくなっても食べていけるだけのお金があるかどうかです。

民間保険については、「医療保険」や「がん保険」が選択肢に挙がります。前者は、がんも含めた病気全般を保障し、後者は、がんに特化した保障が受けられる保険です。

「まだ若いし、がん以外の病気も気になる」場合は、医療保険をメインにしてがん特約の付加を。「治療が長引き、医療費が高くなるかもしれない、がんに備えたい。がん以外の病気は、入院期間が短くなってるみたいなので、預貯金でまかなおう」という場合は、がん保険をオススメします。

そして、がんに備えるなら、日頃から「予防」が大切です。

例えば、食事や運動、喫煙など「生活習慣」に気をつける。定期的に適切な「がん検診」を受ける。何でも相談できる「かかりつけ医」を持つなどです。つまり、病気に罹患しにくい生活を心掛けて、がんなどの病気にならなければ、お金もかかりませんからね!

最近では、亜希子さんと同じく、著名人ががんに罹患したことをきっかけに、がん検診を受ける若い世代の方が増えています。

検診はたしかに重要なのですが、自治体などの乳がん検診は40代以上が対象。20代、30代には検診が有効というエビデンス(科学的根拠)はないと言われています。

ただ、若い世代でも家族性・遺伝性乳がんの可能性がある人は別。血縁者に乳がん・卵巣がんの患者が複数いる場合、乳がんになりやすい体質を受け継いでいることがあります。

心配なら、一度、乳腺専門医を受診して、相談してみるのも良いでしょう。

乳がんは早期で発見できれば、再発リスクも低く、生存率もほぼ100%! 亜希子さんが望むように、乳房全摘しなくても温存手術でOKという患者さんもたくさんいます。

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プロフィール


黒田尚子

くろだ・なおこ/1969年生まれ千葉県在住。1998年より独立系FPとして活動。現在は、各種セミナーや講演、新聞・書籍・雑誌・Webサイト上での執筆、個人相談を中心に幅広く行う。2009年12月の乳がん告知を受け、2011年3月に乳がん体験者コーディネーター資格を取得。がんをはじめ病気に対する経済的備えの重要性を訴える活動も行っている。『親の介護は9割逃げよ ~「親の老後」の悩みを解決する50代からのお金のはなし~』(小学館文庫プレジデントセレクト)が好評発売中!
http://www.naoko-kuroda.com

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監修・文/黒田尚子 漫画/鈴木ポガ子 編集/井上峻

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