第43話 最期の訪れかた

よく耳にする「がん」という病気のこと、あなたはどれくらい知っていますか? 備えあれば憂いなし、まずはがんについて知るところから始めましょう。健康のことが気になるりんちゃん家族と共に、楽しく解説します! 前回、がん患者さんの最期の選択肢についてお話しましたが、今回はより踏み込んだ最期の訪れかた。実際に直面するのは未来の話かもしれませんが、何かあったときの知識としておぼえておいてください。

亡くなる直前まで元気で、
苦しまずに息を引き取る。

がんは、行き過ぎた治療で「生活の質」(QOL)が損なわれていない限り、末期の場合でも、いつもの暮らしを続けることが可能な病気です。亡くなる直前まで元気でいて、苦しまずに息を引き取る「ピンピンコロリ型」とも言えるのです。

元日本ハム監督の「大沢親分」(大沢啓二さん)が良い例です。彼は胆嚢(たんのう)がんで亡くなる2週間前までテレビに出て、元気に「喝」や「あっぱれ」を連発していました。彼の姿を見て、末期がんだと見抜いた視聴者は少なかったでしょう。

ただ、亡くなる1~2ヶ月前ぐらいから、ストンと体力が落ちてくることが多く見られます。ですから、亡くなる前にしておきたいことがあれば、後悔のないように、医師とも相談しながら実行することをおすすめします。

そして、多くの場合、亡くなる1ヶ月くらい前から全身の倦怠感と食欲不振が蓄積してきます。亡くなる数日前にはそれが顕著になり、食べること、飲むことが億劫になります。家族としては心配ですが、終末期の人が栄養や水分の補給のために点滴をすると、身体がむくんだり、胸水や腹水がたまったりして、かえって苦しむことになります。

終末期には、「譫妄(せんもう)」や「幻覚」が生じることもあります。否定せずに耳を傾けてあげましょう。

会話はできなくても
耳は聞こえていることが多い。

亡くなる1~2週間前から寝ていることが多くなり、亡くなる数日前になると、昼夜関係なく寝ていて、目が覚めているときも意識がもうろうとしている状態になります。

会話ができなくなる場合も少なくありませんが、そうなっても、耳は最後まで聞こえていることが多いものです。そのため、はっきり聞き取りやすい声で耳元に話しかけると、わずかに反応してくることもあります。

臨終が近づくと、呼吸が不規則になります。だんだん呼吸の力が弱まってきて、回数も減ってきます。喘ぐような呼吸は最後の数時間に見られることが多いのですが、体力によっては数日続くこともあります。これは、通常の呼吸をする力がないためで、酸素不足の脳内では生理的な麻薬物質が分泌されるので、本人はあまり苦しまないと考えられています。

やがて、静かに呼吸と心臓が止まります。在宅での看取りで、医師が立ち会っていない場合は、呼吸が完全に止まった時刻をメモしておきます。

——参考文献『がんのひみつ 最新版』中川恵一著(朝日出版社)

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プロフィール


鈴木ポガ子

すずき・ぽがこ/アスキー・メディアワークス第1回デジタルMANGA新人賞デジタルコミックエッセイ部門で部門賞を受賞し、2013年より漫画家・イラストレーターとして活動。50回に及ぶリンククロスでの長期連載「がんのことみんな知ってる?」のほか、ぬか漬けマンガ『ぬかロイド花子』が電子書籍として発売中。最新情報は@pogako

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漫画/鈴木ポガ子 編集・文/井上峻 監修/中川恵一

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