第39話 痛みはとった方が長生き。


よく耳にする「がん」という病気のこと、あなたはどれくらい知っていますか? 備えあれば憂いなし、まずはがんについて知るところから始めましょう。健康のことが気になるりんちゃん家族と共に、楽しく解説します! 前回に引き続き、緩和ケアの重要性についてお伝えします。がんの痛みをとる・和らげる薬の使用量が、日本はなんと世界平均以下。痛みで苦しみながら最後を迎える人も少なくないそう。ですが、痛みをとることが長生きともつながるそうで……。

痛みを和らげる薬の使用量が
日本は世界平均以下。

「痛みが出るのも自然なもので、薬で痛みをとるのはよくない」と漠然と感じている人がいますが、がんの痛みはなくしてよし、なくした方がよいのです。

けがや、やけどをすると、人は手や足をひっこめたり、かばう動作をします。この場合、痛みは危険信号の役割を果たしています。しかし、がんの痛みにはそのような意味はなく、まったく無用なものです。

がんの痛みを和らげる方法の主流は、モルヒネ、あるいは類似の薬物(医療用麻薬)を主に飲み薬として服用する方法です。麻薬と聞くと、薬物中毒など悪いイメージがあるようですが、医師の指示に従い、口から飲んだり、皮膚に貼ったり、ゆっくり注射したりする分には安全です。中毒などになることはまずありません。

それなのに、日本ではモルヒネの使用量は、先進国のなかで最低レベルです。

モルヒネとその関連薬物である、医療用麻薬(オピオイド)全体について言えば、日本の使用量は米国のなんと27分の1程度で、世界平均以下です。

がんの痛みをとれば
自然と長生きにもつながる。

日本では、大学病院ですら、末期がんの患者さんの半数近くが、痛みで苦しんできました。多くの日本人が、激痛のなかで人生の幕引きをしていることになります。

「中毒になる、だんだん効かなくなる、寿命が縮まる……」といった誤解があるようですが、まったく根拠はありません。

むしろ、がんの痛みはとった方が長生きする傾向もあります。痛みをとることによって、食事もとれ、睡眠も確保できますので、当然と言えば当然です。激痛のある末期の膵臓がん患者さんを対象とした無作為比較試験でも実証されています。

ちなみに、骨に転移したがんは、強い痛みの原因になりますが、放射線を当ててがんを小さくすることで、痛みをとることができます。また、痛みの原因となる神経を麻痺させる「神経ブロック」という処置をすることもあります。薬以外にも方法はあるのです。

——参考文献『がんのひみつ 最新版』中川恵一著(朝日出版社)

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プロフィール


鈴木ポガ子

すずき・ぽがこ/アスキー・メディアワークス第1回デジタルMANGA新人賞デジタルコミックエッセイ部門で部門賞を受賞し、2013年より漫画家・イラストレーターとして活動。50回に及ぶリンククロスでの長期連載「がんのことみんな知ってる?」のほか、ぬか漬けマンガ『ぬかロイド花子』が電子書籍として発売中。最新情報は@pogako

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漫画/鈴木ポガ子 編集・文/井上峻 監修/中川恵一

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