第34話 化学療法と副作用問題。


よく耳にする「がん」という病気のこと、あなたはどれくらい知っていますか? 備えあれば憂いなし、まずはがんについて知るところから始めましょう。健康のことが気になるりんちゃん家族と共に、楽しく解説します! 治療シリーズもいよいよ大詰め。今回は、抗がん剤などをはじめとする化学療法の基礎知識と、その副作用についてお話しします。

化学療法の基礎知識。

手術や放射線治療で、がんのかたまりを取り除いても、治療前にがんが転移していたり、見えないほど小さながん細胞の取り残しがあったりして、がんが再発することがあります。再発・転移したがんの場合、がん細胞が体のどこに広がっているか分からないので、一般に手術や放射線治療はおすすめできず、化学療法(抗がん剤)の出番となります。

化学療法は、抗がん剤などの薬が血流を通して全身に行きたわたり、体内のがん細胞をほぼ均等に攻撃します。したがって「局所」を攻撃するのには不向きで、手術や放射線治療のあとに再発を防ぐためや、全身に転移したがんを少しでも小さくして症状を緩和し、延命するために行われます。

化学療法単独では、白血病を除いて、完治は狙えません。白血病の場合は、がん細胞が血液中にバラバラに散らばっていて、抗がん剤が効きやすいのですが、白血病以外のがんのかたまり(固形がん)を消し去る力はないのです。

そのため手術や放射線治療と化学療法を、組み合わせて行われることもあります。特に放射線治療と組み合わせることで、治癒率が高まることが分かってきました。例えば、食道がんの場合では放射線治療単独では手術にかないませんが、放射線と抗がん剤を同時に行う「化学放射線治療」では、手術と同等の治癒率が得られており、治療件数も増えています。

抗がん剤はむやみには使えない。

ただし、抗がん剤は正常細胞にもダメージを与えてしまうため、むやみな使用は副作用が強く出ます。抗がん剤の副作用はさまざまで、最もよく見られるのは白血球の減少。抵抗力が落ちて細菌やウイルスに感染しやすくなります。女性に多く見られるのが吐き気や嘔吐で、すぐに起きる早期のものと、数日経って起きる遅発性のものがあります。

また、抗がん剤の影響は細胞分裂の盛んな組織に出やすく、髪の毛の根本にある毛母細胞もそのひとつです。抗がん剤治療を開始して2〜3週間で脱毛する場合があります(抗がん剤の種類や個人差で大きく異なります)。そのほか、口内炎、下痢、便秘、手足のしびれ、手足に炎症が起きることがあります。

副作用が強い抗がん剤では、患者さんの体調がすぐれないのに強行すればかえって悪影響が出てしまいます。そのため抗がん剤は効果と副作用のバランスを考えながら慎重に使うことが非常に重要です。実は、このさじ加減の名手こそが名医なのです。

——参考文献『がんのひみつ 最新版』中川恵一著(朝日出版社)

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プロフィール


鈴木ポガ子

すずき・ぽがこ/アスキー・メディアワークス第1回デジタルMANGA新人賞デジタルコミックエッセイ部門で部門賞を受賞し、2013年より漫画家・イラストレーターとして活動。50回に及ぶリンククロスでの長期連載「がんのことみんな知ってる?」のほか、ぬか漬けマンガ『ぬかロイド花子』が電子書籍として発売中。最新情報は@pogako

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漫画/鈴木ポガ子 編集・文/井上峻 監修/中川恵一

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