がんのことみんな知ってる?

第35話 新しい化学療法。

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よく耳にする「がん」という病気のこと、あなたはどれくらい知っていますか? 備えあれば憂いなし、まずはがんについて知るところから始めましょう。健康のことが気になるりんちゃん家族と共に、楽しく解説します! 前回、抗がん剤とその副作用についてお話ししましたが、今回は21世紀に入ってから誕生した、新しい化学療法について取り上げます。

分子標的薬とホルモン剤。

21世紀に入り、がん細胞がもつ特定の分子をターゲットにする「分子標的薬」という抗がん剤が登場し、肺がんに使われる「イレッサ」や乳がんの「ハーセプチン」などが実用化されています。

分子標的薬は、従来の抗がん剤に比べて副作用は少ないです。ただし、発疹、発熱、吐き気、下痢といった副作用があり、まれに心不全や消化管穿孔(穴が開くこと)といった重い副作用が起きることもあります。そのため、腫瘍内科医など、正しい知識と経験がある医師に処方してもらう必要があります。

分子標的薬のほかに、ホルモンの作用を抑える「ホルモン剤」も使われます。乳がん、子宮体がん、前立腺がんなど、性ホルモンが増殖に関わるがんに対して、言わば、兵糧攻め(=食糧補給の道を断って敵の戦闘力を弱らせる攻め方)でがんの進行を抑えるのです。

ただ、分子標的薬でもホルモン剤でも、がんのかたまりを消すことはできません。あくまでも補助療法として行われます。また、末期のがんの場合、延命効果も数ヶ月にとどまる場合がほとんどです。

そして最先端の分子標的薬は開発コストが膨大となるため、薬価が非常に高くなります。月々の医療費が数十万を超えることもまれではありません。ただし、保険が認められている場合、高額療養費の対象になるため、個人の支払いは数万円で済みます。

——参考文献『がんのひみつ 最新版』中川恵一著(朝日出版社)

プロフィール

中川恵一

なかがわ・けいいち/1960(昭和35)年東京生まれ。東京大学医学部附属病院放射線科准教授。東京大学医学部医学科卒業後、スイス、ポール・シェラー・インスティチュートに客員研究員として留学とした経験をもつ。著書に『がんのひみつ』『がんの練習帳』など、がんにまつわるもの多数。

鈴木ポガ子

すずき・ぽがこ/アスキー・メディアワークス第1回デジタルMANGA新人賞デジタルコミックエッセイ部門で部門賞を受賞し、2013年より漫画家として活動。リンククロスでの連載のほか、ぬか漬けマンガ『ぬかロイド花子』が電子書籍として発売中。最新情報はこちら@pogako

漫画/鈴木ポガ子 編集・文/井上峻 監修/中川恵一

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