がんのことみんな知ってる?

第21話 子どもならではの能力。

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よく耳にする「がん」という病気のこと、あなたはどれくらい知っていますか? 備えあれば憂いなし、まずはがんについて知るところから始めましょう。健康のことが気になるりんちゃん家族と共に、楽しく解説します! 前回に引き続き、子どものがん=小児がんについてのお話です。小児がんには、実は抗がん剤や放射線治療が効きやすいといわれています。どうして効果があるのか、それには子どもならではの理由があったのです。

キーワードはアポトーシス。

体の奥にできることが多いこと、細胞分裂のスピードが速いことから、小児がんは気づいた時には進行していたというケースが多くなります。しかし、小児がんには、大人に比べて「抗がん剤」や「放射線治療」が効きやすいという特徴があります。

胎児の指がつくられる際、指と指の間の「水かき」がなくなって指ができます。水かきの細胞がアポトーシス(個々の細胞が自死を選ぶこと)によって死んでくれるからです。それはつまり、大理石を削って彫刻を作り上げるようなもので、タイミングよく不要な細胞が死んでいくことで胎児の体ができあがります。

そのため、成長過程にある子どもには、まだアポトーシスを起こす能力が残っており、抗がん剤や放射線の攻撃を受けたがん細胞が、死んでいきやすいとも考えられています。

新生児の発育段階の神経細胞には、アポトーシス機構が温存されています。そのため、新生児が「神経芽細胞腫(しんけいがさいぼうしゅ)」の場合、がん細胞が自然に死ぬ「自然消退」が起こることもまれにあります。

小児がんは1970年代まで有効な治療法がなく、亡くなる割合が高かったのですが、いまでは7割以上の子どもが治癒しています。そのため、小児がんを克服した人の数は年々増えており、20代の約1000人に1人が「小児がんサバイバー」であると言われています。

——参考文献『がんのひみつ 最新版』中川恵一著(朝日出版社)

プロフィール

中川恵一

なかがわ・けいいち/1960(昭和35)年東京生まれ。東京大学医学部附属病院放射線科准教授。東京大学医学部医学科卒業後、スイス、ポール・シェラー・インスティチュートに客員研究員として留学とした経験をもつ。著書に『がんのひみつ』『がんの練習帳』など、がんにまつわるもの多数。

漫画/鈴木ポガ子 編集・文/井上峻 監修/中川恵一

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