臓器移植の気になる話

大学教授・瓜生原葉子先生の特別講義。
経営学で考える、意思表示の大切さ。

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読者のみなさま、「臓器移植」という言葉にどんなイメージをもちますか? おそらく、ニュースや医療系のドラマ・漫画でしか目にしない、“自分には関係のない言葉”と思うのではないでしょうか。もしかしたら、ブラックな世界を想像する方もいるかもしれません。でも、これはもっと身近な話。自分にもしものことがあった時、判断を迫られるのは、家族をはじめ「あなたの大切な人」。そんな大切な人を助けるためにも、まずは自分の意思を示そう。というメッセージを理解し、より多くの人に行動してもらうための方法を、経営学の観点から研究し続ける先生がいます。同志社大学で准教授として活躍する、瓜生原先生の特別講義、開講します!

身近に感じてほしい、
臓器移植のこと。

「私はもともと外資系の製薬会社で、移植者が服用する薬の研究開発・マーケティングなどに関わってきました。それは移植を受けた方が、その後一生飲み続けなくてはいけない薬です。仕事に就いた頃は、実は臓器移植に対してあまり関心は高くありませんでした。入社して1年がたったある日、移植患児の親御さんと出会い、とても喜ばれたことをきっかけに、意識が変わりました。そして、必要な人が必要な時に臓器移植を受けられる社会にしたいと思い続けてきました。そのためには、臓器移植のことが正しく理解され、日常の話題となる仕組みづくりが必要です。それが実現できているスペインなどで学び、商学部で理論や方法論を学ぶことが役立つことを知り、今の研究の道に進むことを決意しました」

臓器提供してほしいのではなく、
意思表示をすることが大切。

「私はいま、大きく2つの研究をしています。1つは組織イノベーション。つまり臓器移植にまつわるプロの方にとってより力を発揮しやすい環境づくりをすること。病院・地域・国という、それぞれの役割を考える、社会全体の大きな話です。2つめが、読者の方にとっても自分事にしてほしい話。ソーシャルマーケティングの考え方を用いた、行動変容です。臓器提供に対して『関心なし』の状態から、家族と一緒に話して考えて『意思表示』をし、『家族と共有』してもらうにはどうすればいいかを、ゼミ生と一緒に考えています。よく誤解されるのですが、私は暗に“臓器提供をしてほしい”わけではありません。それよりも、自分自身に万が一のことがあった時にどうしたいのか、“意思表示をしてほしい”んです」

万が一の時、家族を救う。

「みなさんは、臓器提供することに対して“YES”だけでなく“NO”の選択肢があることも知っていますか? 多くの人は意思表示=臓器提供につなげてしまいがちなのですが、実は『臓器提供しない』という選択肢もあるのです。すべての人がどちらかを選ぶ権利があるのです。ではなぜ、ここまで意思表示をしてほしいのかお伝えすると、それは家族など大切な人のためです。想像してください。自分に万が一のことがあったとして、臓器提供が可能と判断された場合、家族はその悲しみの中、限られた時間内に臓器を提供するかどうか決断しないといけません。ですが、あなたが意思表示カードに明記し、家族とも話し合いをしていればどうでしょうか。その行動は、きっと家族の負担を減らすことができるはずです。自分の家族を助け、困らせないためと思えば、あなたの意識も変わりませんか?」

学生たちの柔軟な考えで
行動変容へとアプローチ!

「このカードは、学生たちが作った意思表示カード。その名も『レターカード』です。実は意思表示自体は、運転免許証や健康保険証、マイナンバーの裏にも明記できるのですが、『気づきづらいし内容も分かりづらい』というのが学生たちの意見です。そこで、意思表示は大切な人へのメッセージであることを広めたいと手紙の形にし、大切な人への一言欄を加え、持っていたくなる可愛いデザインにしました。こういった柔軟な発想は学生ならではですよね? ほかにも、『お母さんの好きな花知っていますか?』というテーマで意思表示と絡めたワークショップを開いたり、『世界一多くの人が受ける臓器提供認知向上の授業』という内容でギネス世界記録®に挑戦したりと、医療系の学部ではない彼らならではのアプローチで、一緒に行動変容を起こすための活動をしています。こういった積み重ねをし、いずれは『意思表示があたりまえの社会』になるよう研究を続けていきたいと思っています。あなたもこれを機に、万が一の時に自分がどうしたいか、考えてみてはいかがでしょうか」

プロフィール

瓜生原葉子

うりゅうはら・ようこ/1989年静岡薬科大学卒業後、外資系製薬企業に20年間勤務し、臨床開発、マーケティング、広報、医療政策に従事。ノバルティス・スイス本社在職中、欧州の移植医療の社会基盤を研究し、日本に効果的なプログラムを導入したことをきっかけに、医療における社会問題解決のため経営学を志す。帰国後、神戸大学大学院経営学研究科に進学し、2011年に博士(経営学)を取得。2014年4月より同志社大学・商学部、准教授に就任。専門は、組織マネジメント、ソーシャルマーケティング。主な著書に『医療の組織イノベーション』(中央経済社、2012年)
http://com.doshisha.ac.jp/teachers/yuryuhara.html

写真/黒坂明美 編集・文/井上峻

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