専門誌と考える趣味ヘルス

ゴルフ前編 
出張『週刊パーゴルフ』!
頭を使うから認知症予防に効果的!?

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趣味に特化した健康話は、分野のスペシャリストに協力を仰ぐのが近道。ということで、いわゆる専門誌の知見をお借りすることにしました。今回は幅広い世代に愛される「ゴルフ」にフォーカス。1971年から続く老舗雑誌『週刊パーゴルフ』の、“80代になっても80台を目指す”人気連載「80GOLFのススメ」を出張掲載。若いうちから、老後まで続けられるゴルフには健康と深い繋がりがありました。 前編は2015年9月22日号に収録。ゴルフを長く続けるためには、筋力だけでなく脳の健康維持も大切。認知症予防も含め、いつまでも脳を元気に保つ方法を、脳トレの先生としてもおなじみの諏訪東京理科大学教授・篠原菊紀さんに取材しました。

今回ご協力いただいた媒体

週刊パーゴルフ

1971年に創刊。平均発行部数は15万部。「ニュース」に特化したゴルフ週刊誌。様々なゴルフの“現場”からの情報を、専門誌ならではの視点で迅速かつ正確に取材して提供。同誌が主催するゴルフイベントも高い人気を博している。WEBサイト「パーゴルフ プラス」では、動画やプロゴルファーによるブログなど、誌面ではできない展開。今回載せた表紙は、再録させてもらった、2015年9月22日号。最新号の情報などはこちらをアクセス!

パーゴルフ プラス
http://www.pargolf.co.jp

シニアゴルファーを対象としたアンケート調査では、最近のゴルフの悩みとして「集中力が低下しやすくなった」「レッスンプロの指摘が理解できても身につかない」など、ゴルフの技術以外の悩みもあった。脳とゴルフは、どのような関係があるのだろうか。

物事を一時的に記憶して後から取り出す“ワーキングメモリー”を鍛えよう。

──ゴルフでは、脳のどのような機能を使いますか。

篠原先生:主に「ワーキングメモリー」といわれる機能です。記憶や情報を一時的に保持して、何かと組み合わせて答えを出す機能です。言い換えれば、ちょっと脳にメモしておいて、要件に合わせて取り出して使うという力のことです。単純な例でいいますと「6、3、9、2」という数字をいったん記憶し、次に何か別のことをし、あらためてその数字を逆からいってみるなどの作業をすることですね。私たちはこういう力を使って仕事をしたり、人と話をしたり……、もちろんゴルフにも使います。

──ワーキングメモリーは、加齢とともに衰えていくものなのですね。

篠原先生:そうです。3つ4つ約束すると真ん中あたりをすっかり忘れてしまうとか、2階に物を取りにいくと何を取りにいったか忘れてしまうなどという経験は多くの人がしているでしょう。私たちは常に脳のメモリーを多重に使いながら、それを入れ子状に使って行動しています。このワーキングメモリーはトレーニングすることで、衰えにくくすることも可能で、認知症予防にもなります。

──ワーキングメモリーのトレーニングとは。

篠原先生:次のページでその一部を紹介していますが、一般的に「脳トレ」といわれているものはワーキングメモリーを鍛えるものがほとんどです。ポイントは、少しずつ負荷を高めていくこと。筋トレと同じく、楽になったら次のレベルに進むことが大事です。手や足を動かしながら行う、身体的なトレーニングも効果があると思います。

──ゴルフそのものもワーキングメモリーのトレーニングになりそうですね。

篠原先生:そのとおり。例えば、雑誌やテレビを見て自分のスイングとの違いを探すことなどもワーキングメモリートレーニングになります。また、実際にラウンドしながらコース戦略を考えることもとてもいい。こんなにいい脳トレはありませんから、ゴルフをやるなら真剣にやったほうがいいでしょうね。

ゴルフでドキドキワクワクすれば脳の健康はキープできる。

──アンケートでは「うまくならない」という悩みも聞かれました。脳科学の面からアドバイスはありますか。

篠原先生:練習場でひたすらボールを打ち続けることは上達にはつながりません。同じ技術を習得するのに何時間もずっと同じ練習をするのではなく、5分とか10分とか短い時間に区切って、何度も分けて練習したほうが早く習得できることが分かっています。

──休みながら、短い時間を何度も繰り返したほうが効果的なのですね。

篠原先生:練習の間に睡眠を挟むと、もっと急速にスキルが上がることが分かっています。どうやら寝ている間に記憶は定着するらしいのです。記憶の定着は深い眠りのときに行われるという報告もされています。ところが、年齢を重ねると睡眠が浅くなるという課題がありますね。

──確かに年を取ると、夜中に目が覚めたりしますね。

篠原先生:そうですね。よい睡眠を取るためには、よくいわれることですが、朝日を浴びること、昼間しっかり体を動かすこと、食事などの生活リズムは一定にすること、寝る前に刺激物は取らないことなどが挙げられます。

──“80代で80台”を実現するためには、どのようなことに気をつければいいですか。

篠原先生:ゴルフを「楽しむ」だけでも脳の機能低下予防には効果があります。アルツハイマーは、記憶をつかさどる脳の海馬という部分の障害によって発症します。それを抑制するのがウオーキングなどの有酸素運動なのですが、それ以上に「楽しむ」ことが有効に作用するのです。まだ研究の段階ですが、ドキドキ、ワクワクすることは、脳の健康にとても効果があるようです。ですから、まずはゴルフを大好きでいること。これが今後の人生にいい影響を与えると思いますよ。

今回お話を聞いた先生

篠原菊紀

しのはら・きくのり/東京大学教育学部卒業、同大学院修了(健康教育学)。諏訪東京理科大学共通教育センター教授、学生相談室長。「学習しているとき」「運動しているとき」「遊んでいるとき」など、日常的な場面での脳活動の研究を行っている。テレビ・ラジオで脳トレの監修などでもおなじみ。著書に『脳活johnny問題集』(扶桑社)、『イキイキ脳トレ体操』『中高年のための脳トレーニング』(ともにNHK出版)、『60才からのボケないための脳力テスト』(永岡書店)など多数。

イラスト/市川興一 文/三浦靖史 編集/週刊パーゴルフ編集部

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