ファインダー越しに感じた「健康」

2人目 
クリアなイメージを保つため、
欠かさず運動し身体を軽い状態に。

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ポートレート、スナップ、ランドスケープ……。ファインダー越しに、瞬間瞬間を切り取る写真家たち。カメラという武器を片手に身ひとつで戦い、時として被写体と深く向きあう。そんな彼らだからこそ、「健康」について何か思うこと・感じることがあるのではと思い、話を聞いてみることにしてみました。今回は躍動するスポーツ選手の写真をはじめ、世界各国のサッカー文化を美しい1枚に落とし込む写真家、近藤篤さんにお時間をもらいました。スポーツカルチャーを見続けてきた彼が思う、運動と健康、そしてマインド。写真家としてのポリシーも語っています!

“身体を動かせる”がカメラマンの資本。
だからケガをしても運動をあきらめない。

「2015年の11月にアキレス腱切ってしまったんですが、それまでは週1でサッカー、自転車、ランニングと常に運動をしてきました。やっぱり運動をしているときのほうが身体は軽いし、朝起きたときの調子も違う。運動をしていないときは、次の日、気だるいんです。カメラマンは身体を動かすことがベースにある仕事。アングルもいい瞬間も、身体が反応したりドンドン歩けないとできない。今回お見せした写真も、その賜物だと思っています。ネパール、ブラジル、オーストラリア、ニュージーランド。各国を歩いて切り取った一瞬。今回お話をいただいた『健康』というテーマですが、写真と健康って簡単には結び付けられないと思っています。例えばネパールで撮影したおばちゃんの笑顔(TOP画像)も健康的と言えるし、瞑想のポーズをしている写真(最下部の画像)も、見方によれば健康です。どちらかというと、写真を撮る側や見る側がどう受け止めるかにある気がします。美しい夕日を写した長い坂の写真も『健康じゃないと登りきれない』と考えると、健康と言えると思うんです。大切なのはその人や撮影する僕自身の心の問題だと思います」

人間は怒りの感情だってコントロールできる。
健康と脳はきっとつながっている。

「僕自身サッカー写真を撮る人と思われている節があるので、今回は旅先で撮った写真を選びました。むしろこちらがルーツ。高校までサッカー尽くしの生活で、大学ではスペイン語を学んで翻訳のバイトをさせてもらい、そのまま就職せず南米にバックパッカーとして旅に出ていたんです。1ヶ月くらいしたら暇になって、メキシコワールド杯の取材をさせてもらうことになり、先輩にすすめられ写真をはじめて……。というのがカメラをはじめたきっかけなので、今でも出張などで海外に行ったりした時は街を散策するし、当てもなく旅に出ることもよくあります。最近だとケガをする前、自転車で東海道を走り奈良まで行きました。今回は選んでないですが、その時に撮影した田んぼの写真は、画としては特筆すべきことはないんですけど、自由さやすがすがしさを感じる気持ちの良い1枚。その時の自分のマインドを表していると思います。さきほどの話にも通じますね。あと僕は、ずっと吸っていたタバコも38歳でやめました。でもそれからは身体だけでなく心もクリア。本当、人間の脳と健康は繋がっているなと感じます。多分、怒りの感情だってコントロールできると思うんです。糖分を取りたくなったり、タバコを吸いたくなるのも精神の問題。ネガティブな思考の時は身体も重いですしね。そんな話をしていたら、また運動したくなってきた。アキレス腱も良くなったし、そろそろスポーツを身体が欲しています。いつまでも健康を維持して、80歳になっても、第一線でものすごい写真を撮れる写真家でありたいですね」

プロフィール

近藤篤

こんどう・あつし/1963年、愛媛県今治市生まれ。上智大学外国語学部スペイン語学科卒。大学卒業後中南米に渡り、ブエノスアイレスにて写真を撮り始める。1994年に帰国し活動拠点を日本に移す。『Number』を中心に、サッカー写真・ポートレート・紀行ものなどを発表。著書に『木曜日のボール』『ボールの周辺』『サッカーという名の神様』(すべてNHK出版)がある。最新刊は、世界のあらゆる場所でサッカーを楽しんでいる人々を収めた『ボールピープル』(文藝春秋)。
http://atsushikondo.jp

写真/近藤篤 編集・文/井上峻

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