頭痛と生理の関係。
生理の時に頭痛が起こるのはなぜ?

女性特有の身体の不調について、専門医に原因から解決法まで伝授してもらう「女性のお悩み相談室」。頭痛の種類となぜ起きるのかを探った第1回に続く、頭痛編の第2回は、頭痛と生理の関係について。
普段は平気なのに、生理前~生理中になると、頭痛に悩まされる女性、実は多いんですって。これ、どうも女性ホルモンの仕業らしいんです。この痛み、いったい何歳までガマンすればいいの? 妊娠したらどうなるの? そんな悩みにもお答えします。

目次

1
生理前~生理中の頭痛、犯人は?
2
妊娠、避妊薬が頭痛に関係する?
3
生理時の頭痛、いったい何歳まで続くの?

生理前~生理中の頭痛、
犯人は女性ホルモン。

女性は月経周期・妊娠・出産・更年期・閉経という男性にはないできごとを経験します。片頭痛が頭痛を起こすメカニズムにはこれらのできごとが深く関係しています。それは片頭痛が女性に多い理由でもあります。

片頭痛では、月経周期にあわせて定期的に頭痛が起こることがあります。とくに生理の始まる前という人が多いのですが、生理中や生理の後半という場合もあります。これらには特別に「月経片頭痛」という呼び名がつけられています。「頭痛はいつも決まって生理の頃に起こる」という人に、「生理と関係して起こることもあるような気がする」という人を加えると、その数は女性の片頭痛患者さんの半分以上になると言われています。

月経周期はエストロゲンとプロゲステロンという2つの女性ホルモンによって調整されます。この2つの女性ホルモンが減少する時期に起きやすいのが月経片頭痛です。

月経片頭痛には前ぶれがなく、生理と関係なく起こるタイプより頭痛が激しく、より長引く傾向にあると言われています。

妊娠、避妊薬が
頭痛に関係する?

避妊薬が頭痛の原因になることもあります。経口避妊薬(通称「ピル」)にはエストロゲンとプロゲステロンの合剤が使用されます。3週間内服して1週間休むのを1サイクルとして治療しますが、休薬の時期に片頭痛に似た頭痛が起こることがあります。人工的な月経片頭痛と言ってもよいかもしれません。本当の月経片頭痛と違って、避妊薬の使用をやめてしまえばふたたび起きることはありません。

では、妊娠するとどうなるのでしょう。片頭痛に苦しんでいた人も、妊娠の後半になると頭痛が起きなくなります。これにもエストロゲンとプロゲステロンが関係しています。

それまで卵巣でつくられていた2つのホルモンは、妊娠すると胎盤を維持して子宮を大きくするために、主に胎盤から分泌されるようになります。その量は妊娠4~5ヶ月頃から急速に増えて、それ以後は出産まで高いレベルを保ちます。それと並行するように頭痛が起きなくなるのです。

ただ残念なことに出産後は以前の状態に戻って、ときどき頭痛を経験することになってしまいます。

生理時の頭痛、
いったい何歳まで続くの?

片頭痛の患者さんの数は、更年期を過ぎた50~60歳になると減少します。更年期を過ぎるとエストロゲンやプロゲストロンの分泌量が少なくなるはずなので、更年期のあとはかえって頭痛が起きやすくなるのでは? そう、思われる方もいるでしょう。

けれども実は、女性ホルモンの量の多い少ないが頭痛に関係するのではなくて、急に減少することが頭痛を誘うのではないかと考えられています。更年期を過ぎると、エストロゲンやプロゲステロンの分泌量は上下することなく低いレベルで安定します。それで、頭痛が起きにくく、軽くてすむようになるのではないかというのです。

ただ、中年以降になると頭痛が起きにくくなるのは男性の患者さんについても同じです。男性に女性ホルモンがないわけではありませんが、その量は少ないので、女性ホルモンの変動によるものとしてこの事実を説明することはできません。

理由はともかく、いろいろな症状が出てつらい更年期も、こと片頭痛に関してはひとつの山で、それを越せば前ほど苦しまなくてすむ可能性もあるのです。

――参考文献『読めば楽になる 女性のための頭痛の話』古井倫士(黎明書房)

次回は、頭痛の対処法について。
すぐできる、簡単対処法をお教えします。

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プロフィール

古井倫士

ふるい・ともお/医療法人 国手会・古井脳神経外科院長。医学博士。1974年に名古屋大学医学部卒業。1978年に名古屋大学大学院医学研究科修了(脳神経外科学)。名古屋大学医学部関連病院医師、愛知医科大学医学部脳神経外科学講師、国家公務員共済組合連合会名城病院脳神経外科部長等を経て、2004年より古井脳神経外科院長。著書は、『頭痛の話』(中央公論新社)、『頸動脈病変と頸動脈内膜剥離術』(南山堂)、『ロマンとアンチロマンの医学の歴史』(黎明書房)など。

編集/リンククロス

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